桃神祭2016~鬼ヶ島~ 1日目の感想レポ
3rd・4thアルバムを引っさげて行われたドームツアー、西武プリンスドーム公演振り、そして二年振りの桃神祭に参戦しました。
ライブ前日、私は決まってライブ円盤を観ながらのんびりと荷造りをするのですが、この日はさっさと荷物をリュックに押し込み、それはそれは速やかに、穏やかに床につきました。
「夏の2daysを侮るなかれ。この日のために普段一飲みもしない野菜ジュースを7日飲み続け、適度な運動、程良い食事を心がけてきた。睡眠不足は厳禁。万全のコンディションで桃神祭に臨みたい。開演から終演まで、全身全霊でバカになりたい。」
その強い思いを胸に、一度は消えた明りに再び火を灯し、桃神祭2014のブルーレイに手を伸ばし、胸に期した思いをより一層強く、アツいものにしたのであった。
8月13日、世間では先祖の霊を迎え入れる盂蘭盆会。
一方会場となる日産スタジアムには気温30℃を超える中、その暑さを待ち望んでいたかのように一同に会すモノノフ。
今年も夏がやってきた。
一日目の席は上から数えた方が早い、スタンド天空席。
これまで大箱のライブではほどほどの位置から見ることが多かったので、こんなに遠い席は初めてでした。
しかし全体を眺められるのも良しと心を落ち着かせていると開演5分前。
天空席は悪い事ばかりでなく、風が吹き込んできて心地悪い暑さを感じない。
その風に運ばれて、なにやら詩吟のようなものが聞こえる。
恒例のオープニング映像、Z女戦争の衣装の後継のような、鬼ver.に強化したようなアーマーを身に付けたメンバー。それにしてもBGMがめちゃくちゃイイ。
あつのりんがツイートしてくれたおかげで判明しました。
お馴染みヒダノ修一社中とお祭り団体による演奏で夏の大祭りの胎動を感じつつ、野村万蔵による奏上により、ただならぬ荘厳さが会場を包む。
その空気を切り裂くようにoverture。5万のモノノフが立ち上がる。
そして五人の桃神の使者がステージに降り立つ。
Guns N’ Diamondに意表を突かれる。
おぉ、アルバム曲からのスタート。
ドームツアーを経て、アルバム曲がどのように既存曲と融合するのか、今回のライブを楽しみにしていた。
ゴリラパンチ、マホロバケーションと続き、夏の定番ワニとシャンプー。
その後MCを挟み、アルバム曲攻勢が続いていく。本編終了まで随所にちりばめられる。
アンコールを前にして、計11曲披露されたアルバム曲、「ドームツアーの総集編みたい」と思ってしまった。
このライブのコンセプトはなんなんだろう、猜疑心の鬼が一匹。
全国のお祭り団体のパフォーマンス、そしてももクロとのコラボはこの席から見ても本当に素晴らしい。のしかかるような豪快なお祭り感に気持ちを弾ませながら、受け継がれてきた伝統の技に魅せられる。
ただどうしてもこのセトリに対し、身も心も斜に構えてしまう。
桃神祭にバカ騒ぎをしに来たのに、肩透かしを食らったような感じがする。
もう一つ胸につかえたのは、あーりんの喉のこと。
いくら問題ないと言われても、歌唱は勿論、普段より煽りも少ない気がして、考えずにはいられない。
モニターに映し出されたふとした表情に不安になる。
恐らく勝手な思い込みだったが、これまでの桃神祭も順風満帆でなかったことが脳裏をよぎる。
後ろめたさを感じながら灰とダイヤモンドを聴いた。
そのとき、「一緒にいない私たちなんて二度と~」の杏果から、しおりん、あーりん、れにちゃんへとパートが移る場面で、それに合わせてメンバーの方を向きながら微笑む夏菜子を見た。
夏菜子は最後のMCでその時の事を、「ももクロっていいなぁって思った。」と表現した。
五大ドームツアー、あの時はレコーディングを終え、新曲を身体に詰め込むようにして臨んだのだと思う。緊張も一入だったはず。
そして今はももクロとしての活動に加え、朝ドラの撮影もある。
多忙を極め、女優として一人の仕事が増えた。
これまでにない経験をする一方で、その難しさに息苦しさも感じると思う。(実際全くそうじゃないかもしれない。)
西武ドーム公演以来のこの桃神祭。その舞台で、武部総監督曰く最高のパフォーマンスを終えた。
「ももクロっていいな」という言葉。それは桃神祭のステージで、以前より磨きをかけた、本来のももクロのライブをやれた充実感が言わせた、夏菜子の純粋な感想なんだと思わされた。
ライブ後のTwitterのタイムラインは、賛辞ばかりではなかった。
自分と同じように、満たされない人も多かったのかもしれない。
ただ自分の灰がかった気持ちは、夏菜子がさっぱりと晴らしてくれた。
この時分からなかった多くの事に、2日目になってようやく気が付くことになる。
それはまた、最高で最強で最上のももクロ、最愛のモノノフによって。