桃神祭2016~鬼ヶ島~ 2日目の感想レポ

8月14日。

今年の桃神祭のコンセプトについて散見する意見の中、出所は分からないものの多かったのは、『鎮魂』

確かにアルバムのテーマとして「死生観」があり、その楽曲を中心にセットリストは構成されている。そしてまた、お祭り団体として招聘された多くは東北、熊本のような被災地のものである。2012年の横浜BLITZ公演が思い出されるように、以前から五人は復興を掲げてきた。

また、犯罪被害に遭った遺児等もこのライブに招かれていることを後々知る。

 

実際にこれらの推測について触れられることは無かったため真意は分からないが、うごめいていた心の鬼はいつの間にか消えていた。

 

迎えた桃神祭2日目。

その席はなんとバックスタンド一列目。

スタンド席の最前、スタッフさんの光る汗が肉眼で確認できるほどの近さ。

後に痛感することであるが、やはりライブの楽しさは席の近さに比例する。

僕は決してコール厨じゃないしレスが欲しい訳でもなく、しっかりとパフォーマンスを見て、聴いて、感じたい。

しかし、席が近いすなわちメンバーとの距離が近い以上沸かずにはいられない。それだけは嘘をつけない。結局近ければ嬉しいのである。オタクはアホ。

 

鳴り響く電子音。overtureに続いて一曲目はマホロバケーション。

もし昨日のままの自分であったら、いくら大好きなマホロバに対しても辛辣を極めようとしただろう。しかしこれはレクイエム。魂を浄化された自分もまた、この桃神祭に救われた一人だった。

 

4曲目のワニとシャンプー。

今生のなにものからも解き放たれて思い切り跳び上がった。

なまじ跳躍力のある身長180cmの日本基準における大男が本気で垂直跳びをすると、自分より若い女子ノフに真珠のように白い目で見られるが、もういい。

ゴリラパンチの時点でそれはもうヒトの形をしていなかったと思うし、労働讃歌ではめちゃくちゃにコールを間違った。実際には盛り上がりすぎてメンバーの歌唱を聴いていなかった。こんなことは初めてだったし、普段なら反省していたところではあるが、桃神祭だからというパワフルな理由によって自分を許した。

 

近くで見るお祭り団体。秋田・なまはげ太鼓、ニ子流東京鬼剣舞、YOSAKOIソーランREDA舞神楽、熊本・菊池白龍祭り、愛媛・うわじま牛鬼まつり、宮城・仙台すずめ踊り。その迫力は日本の宝と形容すべきもので、見る者を引き込み、自然と高揚させる。

あーりんも言っていたけど、ノフはお祭り団体がハケていくときに、これでもかと拍手を送っていた。それは当然のことで、拍手を送らずにはいられなかったからだ。

桃神祭はももクロの、モノノフだけのためのものではない。この舞台を盛り上げるために欠かすことは出来ない、お祭り団体の方々の演台でもある。

 

スタンド一列目の下は演者の通路になっていて、サムライ・ロック・オーケストラの女性陣が僕たちに手を振りながら歩いていくのが何度も見えた。

ほんとうに綺麗でかっこいい人たちばかりで心を奪われたので推して行こうと思いました。

 

本編ラストのサラバ。

ここで出さなかったら後悔すると思い、既に絞り尽くした喉を燃やすように声を出した。振りコピにも余念を残さず、夏のセミ程の生命力をすべて使い果たした。

あぁ、夏が終わる。五色の花火は散り、火薬のにおいだけが冥土の土産になるんだと思った。

 

アンコールの仏桑花。

噴水を背景にリフトアップするエンドステージで披露されたこの曲は、どんなにも言い表せないものだった。光るペンライトを両手で握りしめ、ただ直立したまま、流れる涙に逆らわないことが唯一出来ることであった。

 

そしてオーラスのキミノアト。

五年前、初めて見たももクロのライブ円盤が2011年の極楽門。あの時の五人と重ねる。

約6000人の観客を前に初めてのサマーダイブ。あかりんが脱退し、Zとして新たな一歩を踏み出した5人。

彼女らは今や、ももクロを愛す5万のモノノフの前で、笑顔を届けるアイドルとして、その歩みを続けている。

 

最後のMCでは、れにちゃんが周りにいる鬼の話をした。

とっくに桃神祭、鬼ヶ島のコンセプトについてのもやもやは無かったのだが、やはりそこは高城れに。鬼ヶ島というテーマを多くのモノノフが心に留めることになったはず。

そしてあーりんとれにちゃんの二人が万全の状態で、五人揃ってこの桃神祭を迎えることが出来たことが何よりも幸せなことだ。

 

玉井さんは本当に楽しかったと吐露するものの、「どの色が欠けても…何でしたっけ?」と照れ隠し。そこにすかさず「分かってるくせに~」とうひょる夏菜子にももたまい推しはご満悦だったでしょう。

恐らく先ほど同様、五人でいられることの大切さに言及しようとしたのでしょうが、本当にこの子はあらゆる部分で流石というしかない。

どこにでも顔を出して、バランスを取りながら自分でも決められる。

アイドル界のバロンドールがあるならこの人に贈りたいと認識を改めました。

 

杏果はソロコンを経て、また大きくなったように見えました。

玉井さんも、武部総監督も言っていたパフォーマンスの向上。そのためには必ず杏果の力が不可欠です。笑顔の天下を掲げたももクロをこれから引き上げていくのは杏果だと思っています。

 

夏菜子がふいに、来年は四年に一度のバカ騒ぎですよ~と公言した。

ここでまた気付く。このライブはバカ騒ぎじゃなかったんだった!

来年の楽しみがもう出来たと、自分を含め、多くのモノノフがその天真爛漫な笑顔に頬を緩ませる。

 

もっとこれからのももクロを見てみたい、そう思わせてくれた桃神祭になりました。

一か月後のあーりんソロコン。12月幕張でのももクリ。

2016年のももクロをまだまだ応援していきたい。

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